なぜだか生きてゆく私

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出口のない迷路のなかで。「82年生まれ、キム・ジヨン」感想

 これはただの現実?
「82年生まれ、キム・ジヨン」読みました。

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)

 

 2018年の年末年始の休みの間に読みたかったけど、
そのときは品薄で、全然手に入らなかった本。
年明け~2月ぐらいには書店に並び始めたけど、今度は読む勇気が出なくて、手に取れなかった本。
このあいだ、とうとう読みました。正直、想像以上でした。

ある日から奇妙な言動が止まらなくなった女性。33歳のキム・ジヨン氏と、精神科医が行ったカウンセリング。そのカルテのような文体をとっているため,,描かれている世界は終始現実と地続き。

余談ですが大学生のとき、心理学の授業で使ったテキストに似てると思いましたw
ちなみにこちらの本でした。↓

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

 

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終始、主人公のすぐ隣で人生を淡々と追体験していく作品で、ものすごい出来事なんて何も起こらない。
はじめはこれがなぜベストセラーに?と思ってしまう。

ジヨン氏は与えられた環境のなか、誠実に目の前のライフイベントに取り組んでいる人。就職活動も諦めなかったし、きつめの仕事でも成果をあげてるし、堅実に貯金もしていた。
…私には真似できない。立派としかいいようがないです。

それなのに。
ふつうの人がふつうにがんばっても、この迷路に出口はない、というのがこの物語の着地点だった。

安易なハッピーエンドなんてありえないから、読み進めているうちに気持ちが重くなっていくのは確かです。
ただジヨン氏を取り巻くお母さん、お姉ちゃん、サークルの先輩、会社の上司、同僚。それぞれの登場人物の血の通ったやさしさだけがこの物語の救いになっていて、読んでいて涙が出ました。付け加えるなら、不景気をものともしないお母さんの商才にはほんとにびっくりしたしw

  1. 皮肉としか思えないエピローグによって物語の幕が閉まるところ。
  2. 韓国ではこの本が100万部売れていること。
  3. そしてこの物語はこれから映画化されること。


…読み終えてから、本当にこの3点が信じられないと思いました。

映画にしたときはこのラストをどうまとめるのか?
気になって気になって仕方ありません。

あまりに衝撃的な読書体験でした。

でも読んでよかったと思うし、映画も絶対チェックします。

読んでいただいてありがとうございました。miyakoでした。

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